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2次元コード固有の設定

OpenSWPCには,2次元断面におけるP-SV(swpc_psv)とSH(swpc_sh)のコードも同梱されている. 2次元コードはすべて3次元コードのxz断面(; 図参照)における , 成分(P-SV)もしくは 成分(SH)を計算するコードとして動作し,3次元版と完全に同じ入力ファイル群で動作する. 震源位置も 断面()に投影される.

Figure

水平面内における2次元問題への投影

ただし,それぞれの成分で利用しないパラメタ(たとえば観測点位置の方向成分や震源におけるモーメントテンソルの非利用成分)は無視される.観測点や震源位置の投影の際,そのy軸方向の座標は考慮されない.投影軸から遠い観測点の記録も出力されてしまうため,リストの指定には注意が必要である. 平面波入射にも対応しているが,pw_strike, pw_rake は2次元断面内での振動を満たすように固定される.傾斜角pw_dipだけが指定できる.

2次元コードの結果について

地震波伝播において,3次元と2次元の問題は本質的に異なっている.2次元のシミュレーションは,3次元空間で方向に無限に続く線震源を仮定したことに等しく,地震波の振幅や幾何減衰が3次元のものと大きくことなる.そのため,2次元のシミュレーション結果の地震波形を観測された記録と定量的に比較するのはたいへんに危険である.

ただし,一定の仮定のもとで,2次元コードの結果をあたかも方向には一様な構造を持つ3次元空間での地震波形であるかのように変換する手法は存在する.Version 5.2以降はwvconvでそのような変換を実現できる.